相続問題についてのご相談

残された家族・親族の間で、遺産相続のトラブルが起こることは、とても悲しいことです。
相続争いなどのトラブルを防ぐためには、しっかりとした内容の遺言書を作成しておくことが必要です。さらなる備えとして、家族・親族などの相続人を集めて、家族会議を開くことをおすすめします。
(家族・親族との関係によっては、家族会議を開かないほうが良い場合もあります。)

家族会議の進め方


相続人全員を一箇所に集める


遺産相続に関する家族会議を開く目的は、ご自身が亡くなった後に、家族・親族間での相続争い等のトラブルを回避するためです。
したがって、相続人となる方全員に、ご自身の意思・決定を納得してもらわなければなりません。
その場にいなかった相続人が、意思・決定に納得できないといった主張を始めると、家族会議を開いた意味はなくなります。
相続人全員の納得を得て、それぞれに思いを伝える場が家族会議なのです。

家族、親族に想いを伝える

ご自身が亡くなった後も、残された家族・親族の皆さんが仲良く、平穏に暮らしていくことをお望みでしょうし、一人ひとりに対して感謝の言葉を述べたい気持ちもあるでしょう。
しかし、万が一の際にその想いを伝えることができるかといえば、難しいかもしれません。
手紙にしたためておくことも良いのですが、家族会議の場で、皆さんにご自分の言葉でしっかりと想いを伝えておくことも大切です。


財産の内訳を明らかにする


トラブルを防ぎ、相続人に納得してもらうためには、ご自身の財産の全てを明らかにしておく必要があります。後になって「ほかにも不動産があったはずだ」「もっと預金は多いはずだ」などといった疑念を抱かせることのないよう、詳細な財産目録を作成し、相続人全員に内容をきちんと確認してもらいましょう。


財産の分け方を明らかにする


財産の分け方はご自身の意思で決定することができ、遺言書に記載しておけば、その通りに分けられることになります。
しかし、それで本当に相続人全員が納得できるかどうかは分かりません。
家族・親族間で遺恨を残さないように、家族会議の場で財産の分け方についてしっかり説明しておくと良いでしょう。


内容に変更の可能性があることを伝える


家族会議を開いてから、ご自身が亡くなられるまでの間に、ご自身をとりまく環境や心境にさまざまな変化が起こるはずです。
家族会議を開いた時点での決定事項が、将来的に変更される可能性もあることを伝えておきましょう。
「あの時にこう決まったはずだ」といったトラブルを避けるためにも、忘れないようにしておきましょう。


遺言書の保管場所を伝える


亡くなった方の生前の意思を、確実に実現させるのが遺言書です。
しかし、その遺言書がどこにあるのか分からなくなったり、遺言書が偽造されたりするようであれば、その効力を発揮させることはできませんし、家族・親族間の大きなトラブルの元になることも考えられます。
家族会議の場で、相続人に対して遺言書の保管場所や、保管をどの弁護士に依頼したのかといったことを、はっきりと伝えておくようにしましょう。


最後に改めて、自分の想いを伝える


家族会議の締め括りとして、最後にもう一度、家族・親族に想いを伝えるようにしましょう。
集まった相続人の家族会議での反応を見て、一人ひとりにしっかりと言葉をかけておくようにすると良いでしょう。